静岡市内の公立中学は先週と今週が定期テスト、というところが多いです。特に3年生は「内申の半分」を決める試験になるわけですから、頑張ってほしいものです。もっともこの「『内申の半分』を決める試験だぞ!」という発破(脅し?)をかけても、まだ実感がわかずにのんびりしている子もいます。困ったものです。
先日テスト前の自習をしている生徒を監督していた時のことです。「あーっ!わかんねー!」と突如言い出す子がいたので何をやっているのか?と思って見てみると、内容は中3国語でした。今回中3国語の試験範囲に短歌・俳句が入っている所が多いようです。その生徒が「わかんねー!」と言っていたのは種田山頭火と尾崎放哉。思わず吹き出しそうになりまつつこう声をかけました。「気にすんな。中学生に山頭火だ放哉だわかってたまるか(笑)」と。
こう言ってはなんですが、詩・短歌・俳句などは「考えるな!感じろ!(Don’t think! Feel!)」なわけで、学校の国語の授業で取り上げるのはまだしも、試験には最も向かない分野でしょう。ましてや山頭火と放哉、どちらも自由律俳句の代表例として昔から教科書に取り上げられてはいますが、片や破滅的に無能な風来坊主、片や切れ者だが超偏屈な性格で半分引きこもりなわけで、普通の中学生に理解できるわけがありません。というわけで、件の生徒には自由律俳句とはどういうものか、山頭火と放哉がどういった人間かという説明だけして、あとは「分け入っても分け入っても青い山」と「咳をしても一人」だけ覚えとけ、とだけ指導しました。その生徒は「なんかわかったような気がする」と言っていたのですが、「いやいや、中学生にはムリだって。」と内心でツッコミました。
それにしてもです。先述のとおり、近現代の詩・短歌・俳句、それも自由律俳句の試験て何をやるんだよ?とツッコミせずにはいられません。どう考えても試験に最も向かない分野でしょうに。だったらもっと万葉集をやって、日本人として恥ずかしくない一般教養を身につけろよ!と声を大にして言いたい気分です。日本人ならば、ましてや静岡県人ならば一般教養として日本を代表する歌と言える山辺赤人の富士の歌を諳んじられないようでどうする!静岡県公立高校入試国語では毎年必ず赤人の長歌・反歌を完全に覚えているかテストすべきである!というのが偏見に満ち溢れた超個人的意見です。絶対に採用されることはないでしょうけれど。