恐ろしい科目

恐ろしい科目

新年度になり3カ月目となりました。私事ですが、昨年度は高3=受験生を担当することが多く、センター試験前から国公立後期試験終了まで受験生同様キリキリとした気分の日が続きました。
私の場合、高校レベルでは数学、化学、生物メイン、追加で趣味と言っていい世界史
日本史も見ていますが、色々な科目を見ていく中で「まったくこの科目は恐ろしい」と思う科目があります。今日はその「恐ろしい科目」の話をしたいと思います。
恐ろしい科目1 地理
高校の地理歴史科目選択をどうすれば良いかについて相談されることが時々あります。その時の私の答えは即答です。「特段地理が好き、ということがなければ歴史にしなさい。」、と。理由は簡単です。歴史というものはそうそう変わりません。昨今指導要領における聖徳太子→厩戸王への変更や鎖国という用語の廃止など話題になっていますが、根本的に変わってしまうことは滅多にないでしょう。一方、地理の方は世界情勢は刻一刻と変化していきます。グローバル化が進み何事においてもスピードアップした現在においては5年もたてばガラリと変わってしまうことも多いでしょう。この「変化」の差は非常に大きいです。要は歴史は大量の過去問は今でも使えるのに対し、地理は5年もたてば役にたたない問題も多い、ということです。これは受験対策ということを考えるととてつもなく大きなアドバンテージではないでしょうか?私が地理を「恐ろしい科目」と呼ぶ所以です。
ところが、理系を選択すると強制的に地理を選択されることもあるようですね。その言い分もわからなくはありません。確かに地理は地歴公民の科目の中でもっとも理科に近い科目ではあります。では、それが役にたつか?というと地学以外ではほとんど役に立ちません。地理-地学という黄金コンビを組めるのでなければ、理系であっても歴史の方が受験対策はしやすいのではないでしょうか?
恐ろしい科目2 生物
私が受験生~大学生の頃、誰かは忘れましたがこんなことを言っている人がいました。「19世紀は物理の時代、20世紀は科学の時代、21世紀は生物の時代。」と。曰く、「物理学の主要な内容は19世紀までにほぼ確立した、化学は20世紀中にはほぼ確立した。しかし、生物学は全然確立していない。」と。この言が学問的に正鵠を射ているか否かは別にして、生物学の世界が日進月歩なのは紛れもない事実です。それを反映して高校生物の内容は次々に新しい内容が入ってきています。私が受験生の時代に難関大で最先端トレンドだった問題の内容が、今や生物基礎の範囲だったりしますからね。新しい内容=過去問が少ない=対策がしにくい、ということです。今年度生物対策をしていて、ある分野については問題の数が少なく苦労しました。実際その分野は苦手にしている生徒が多いですね。では、生物を避けるべきか?というとそうとも言えません。物理の方は内容はともかく問題がヘンなひねり方をして難しい、という別の問題があるので悩みどころです。
受験勉強はそれなりに大変です。なら楽できるところは楽をしましょう。対策のし易い科目を選ぶ、というのは最初にかつ簡単にできる受験対策ではないでしょうか?