人間のいい加減さ

 新年明けましておめでとうございます(今更感はありますが)。本年も「とある」は生徒さんと保護者の方々の目標に向けたサポートをさせていただきたいと思っておりますので、変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、4年に1度のアメリカ合衆国大統領選挙。今回の結果は史上5度目の得票数敗者の勝利というねじれた結果になりました。こんな「ねじれ現象」が起こるのは共和党と民主党の勢力が拮抗しているのがそもそもの原因なわけですが、では逆に圧勝した大統領というのはいるのか?という疑問が頭をよぎります。調べてみると確かにいますね。たとえば1952年選挙のアイゼンハワー。
 第二次世界大戦の欧州戦線最高司令官・アイゼンハワー元帥の人気は圧倒的で共和・民主両党から立候補の打診があり、この時点で当選はほぼ約束されていたようなもの。アイゼンハワーの選択は「民主党政権が超長期(1933~1953、F・ルーズベルトとトルーマン)になっており、政権交代するべきだ。」という理由で共和党を選択します。アイゼンハワーに袖にされた民主党は欧州戦線最高司令官に対抗して太平洋戦線、GHQ、国連軍(朝鮮戦争)最高司令官を歴任したマッカーサー元帥を出馬させようか、という動きもあったようですが、現職大統領トルーマンとマッカーサーの不仲(ホントの所は日本統治と朝鮮戦争対応における対立が原因)で話はお流れに。マッカーサーは歴史の表舞台から退場します。かくしてアイゼンハワーは空前の大勝利をおさめることになります。
 こういう話を聞くと、「アレ?ケネディは?」と思う人が多くいるかと思います。実はケネディが当選した1960年選挙、民主党・ケネディ候補と共和党・ニクソン候補の差はわずか12万票、率で0.2%という空前の大接戦でした。ところが、当時有権者だった人に「1960年大統領選挙で誰に投票しましたか?」というアンケートをすると、「ケネディに投票した」という回答が9割を超えるそうです。「おい、4割のウソつきども(笑)」とツッコミたくなります。暗殺されて半ば神話化したケネディと、その後大統領にはなったもののウォーターゲート事件で唯一の途中退任した嫌われ者ニクソンとの間の選挙。自分がケネディではなくニクソンに投票した、という事実を認めたくないのはわかりますが、こうも堂々とウソをつくのはいかがなものでしょう?あるいは彼らはウソをついている、という自覚すらなく、ホントにケネディに投票した、と思っているのかもしれません。
 人間というのはかくもいい加減なものである、と思わざるを得ません。