ホーキング、天に帰る

ホーキング、天に帰る

年末になるとその年に亡くなった方を紹介する特集が必ず組まれます。それを見て今年の一番の大物は誰かな?などと考えます。ところが昨年の一番の大物誰だっけ?と3か月後の今考えても全く思い浮かびません。きっと自分的にインパクトのある大物はいなかったのでしょう。一昨年だったら「フィデル・カストロと千代の富士」と一発で思い浮かぶんですけど
ね。今年の最大の大物は3月時点で確定です。それも自分的にでなく全世界的に確定です。異論は認めません。理論物理学者スティーヴン・ホーキング。これから今年末まで誰が亡くなろうが彼以上の大物はいないでしょう。
ホーキングの研究内容はとりあえず横に置いておきます(「ホーキング、宇宙を語る」他多数の読み易い著作があるのでそれを読みましょう!)。彼の知名度は人により結構異なるでしょうが、知っている人にとって最もインパクトのある事実はALSを発症した
「車いすの物理学者」ということでしょう。
自分が初めて彼の存在を知ったのは小3ぐらいの頃、NHKで海外の天文学番組を放送したのを見た時です。ケンブリッジ大学でのホーキングの講義の様子が映っていました。ホーキングが車いす上で非常に聞き取りにくい声を発する→それを聞いた助手が黒板に板書しつつ学生達に講義する、これが繰り返されます。時々、助手が聞き取れなかったのか理解できなかったのか何度もホーキングに聞き返すor確認することがあり、学生達から苦笑がもれる。
こんな光景でした。「いったいこの車いすの人は何なの?」と父親に尋ねたら、「この中で一番偉いのがこの人だ。」という答え。その頃はまだよくわからなかったので、「へー」と思っただけでしたが。ホーキングの本当の偉さを知ったのは高校生ぐらいになってからでした。たとえ話は理解できても研究内容の本質的な部分はいまだにサッパリ理解でき
ませんが。その物理学の歴史上における巨人の訃報、今年これ以上の訃報は絶対にないと断言します。
イギリス政府は長年の功績に経緯を表し。ウェストミンスター寺院への埋葬を決定したそうです。墓地はニュートンの隣(ダーウィンの隣でもありますが)。天に帰ったホーキングはこれからニュートンに最新の物理学を講義することになるのでしょう。