「英語がわからない」というあなたへ~「何」が「わからない」のか?~

 最近よく、「英語ができない…」という子がいます。高校時代に英語が(好きだったものの)できなかった身としては非常に同情します。「英語の何が苦手?」と聞いてみると、十中八九「何を言っているのかがわからない」と返ってくるのですが、実はそれを細かく聞いてみると、「単語がわからない」「英文の構造がわからない」「文法がわからない」の3つに分かれています。
 「単語がわからない」という子には、正直「頑張って覚えて!」というしかありません。身近にあるものだったり、日本語になっているような単語をまず覚えてもらって、少しずつ範囲を広げるのが最初のステップでしょうか。英語や日本語を始めとするすべての言語は、単語の意味を知らなくては手も足もでません(つまり語彙が身についていなければ国語も点数は取れません)。逆に言えば、単語がしっかり理解できていれば、おおよその意味は通じるのです。外国人に「行きたい、これ」という感じで言われても通じるのと同じです。だから辛いとは思いますが、まず単語を覚えましょう。
 「英文の構造がわからない」という子は、まず「主語のあとに話のオチ」ということを意識しましょう。昨年の『もしも日本が勝っていたら公用語は日本語なのか?』でも言いましたが、ほとんどの言語は文頭決定型の言語なので、話題の主体の直後に動作や状態を表す動詞が必ず来ます。なので、その文章を訳す際には、「この人がこうした」というところをまず意識するようにするといいです。そのあとに「いやいや、これだけだと何が言いたいのかわからないよ」というツッコミのもとに「補足説明」のようなものが後についている、という感覚でまずは取り組んでみましょう。
 「文法がわからない」という子は、いくつかをセットにして、「これとこれが同じ意味」という形でグループ分けして覚えると、効率よく覚えられると思います。特に文法事項は重複する意味を持つ用法も多いので、それをとっかかりにして全体を把握するというのも一つの手です。
 「わからない」は何が「わからない」のかを突き詰めると、解決策が見えてくるものです。「わからない」を解消するために、周囲の人に相談してみるといいかもしれませんね。